嗅覚は生活を豊かにする上で、とても重要です。においがしなくなると、焦げたにおいやガス漏れに気づきにくくなります。また料理人など嗅覚を仕事によく使う場合、大きな支障をきたします。嗅覚障害に伴い食欲がおちたり、味付けが濃くなったりします。全人口のおおよそ15%に嗅覚障害を認め、一般的には年齢とともに嗅覚は低下していきますが、視覚や聴覚と比較すると気づきにくいです。また生活習慣や環境による影響もあるため、個人差が多いです。

嗅覚障害

嗅覚と味覚は関係が深く、嗅覚障害が原因で味覚障害が生じる事もあり、風味障害と言われています。味覚に異常が無くても、今までと味の感じ方が異なるという症状が出てきます。

昨今では新型コロナウイルス感染に伴い、約半数の方に嗅覚味覚障害が報告されております。そのためここ数日以内に急ににおいがしなくなった場合は、新型コロナウイルス感染症を念頭におく必要があります。嗅覚障害の発症後10日間は、周囲に新型コロナウイルスの感染をさせる恐れがあると考えて対策をします。当院でも基本的には、においがしなくなってから10日後以降の受診をお願いしています。10日たっても嗅覚障害の治療が遅れてしまうことはありません。また新型コロナウイルス感染症に伴う嗅覚障害であれば、半数以上は時間とともに自然回復すると言われています。

嗅覚障害の原因は多岐に渡りますが、原因としてはちくのう症(慢性副鼻腔炎)が最も多く、3割以上を占めます。こちらの診断には副鼻腔CTが有用です。特に好酸球性副鼻腔炎では嗅覚障害をきたす事があり、骨で囲まれている副鼻腔の中を正確に評価するためには、副鼻腔CT検査が必要です。他には風邪を引いた後におきる感冒後の嗅覚障害(おおよそ2割)、アレルギー性鼻炎によって生じる嗅覚障害もあります。脳腫瘍や嗅神経の腫瘍によっておこる嗅覚障害もあるため、CTに加えてMRIの検査が必要になる事もあります。またパーキンソン病やアルツハイマー型認知症の初期症状として、嗅覚障害が出現する事もあるため注意が必要です。その他頭部外傷、脳出血、脳梗塞、Kallmann症候群、甲状腺機能低下症、シェーグレン症候群、薬物(抗がん剤)、精神疾患(統合失調症)も原因となります。原因不明の嗅覚障害はおおよそ15%です。

当院では嗅覚障害に対して、漢方薬を中心とした治療を行っております。鼻の通りが悪いと、においを感じる嗅球という場所に空気が行き届かなくなるため、ステロイド点鼻薬などを併用することもあります。嗅覚障害は月単位で改善しないことも多いため、基本的には年単位で経過を見て行く事が重要となります。一方で好酸球性副鼻腔炎に伴う嗅覚障害では、ステロイドを内服するという治療もありますが、効果は一時的であり、高血圧、糖尿病、易感染性のリスクもあり、長期内服はお薦めしておりません。

また鼻茸(はなたけ)と呼ばれるポリープができてしまい、嗅球のある嗅裂を塞ぐ場合は、手術が必要となることもあります。物理的にポリープの手術、副鼻腔の手術をすれば、仮にポリープが再発したとしても、局所的な処置がしやすくなります。

静脈性嗅覚検査、基準嗅覚検査等の専門的な検査や手術が必要な場合は、対応可能な施設へ紹介をさせて頂きます。最近ではバラ、レモン、ユーカリ、クローブのにおいを1日2回かいでにおいの神経を鍛える、嗅覚刺激療法というリハビリテーションも注目されています。簡単に家でできる方法としては、意識的に鼻呼吸をすること、さまざまなにおいをかぐ習慣をつけること(sniffingと呼びます)、例えにおいがしなかったとしても、どんなにおいかを思い出しながら嗅いでみること、禁煙を心がけること、などがあります。

嗅覚障害でお困りの方は、お気軽にご相談下さい。

そらいろ耳鼻咽喉科センター北駅前院

耳鼻咽喉科小児耳鼻咽喉科アレルギー科

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内尾紀彦
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