扁桃炎とは
のどの奥にあるリンパ組織を扁桃と言います。扁桃が炎症を起こした状態が扁桃炎です。炎症が起きると高熱をはじめ、扁桃に白いポツポツとした膿や白い膜が全体を覆うなどの症状が現れます。さらに炎症が広がると扁桃周囲腫瘍となり、膿が溜まって切開して排膿しなければならなくなります。この場合口を開けられなく呼吸が苦しくなり、入院治療が必要となってしまいます。他にも耳管扁桃・舌根扁桃・アデノイドなどの扁桃組織が、のどの入口を囲むようにしてあります。これらの扁桃も炎症を起こします。
扁桃炎の原因
風邪の症状に伴って、のどの炎症によって扁桃腺が炎症することがほとんどです。扁桃は身体の入口にある最初の免疫組織のため、免疫力が低下していると炎症を起こしやすい特徴があります。高熱を出しやすく、繰り返し扁桃炎を起こすことで、体質が癖づいてしまいます。これを習慣性扁桃炎といって、症状改善には手術治療が必要になります。気になる症状や心当たりがある場合は、当院までご相談ください。
扁桃腺の症状
- のどの痛み(咽頭痛)
- 飲み込みにくい(嚥下困難)
- 頸部痛
- 耳痛
- 発熱
- 全身倦怠感
検査
- 口蓋扁桃の腫れ・発赤・白い斑点の有無・頸部リンパ節腫脹
- 細菌検査
綿棒を用いて扁桃を拭い、細菌の種類や有効な抗生剤を検査することがあります。
治療
抗生剤内服
抗生剤や鎮痛剤で内服治療を行います。発熱や強い痛みがある場合は、痛み止めを用います。また溶連菌感染が原因の場合は、症状が回復しても数日は継続して内服する必要があります。完全に治療を行わないと、細菌が完全に消失せずに、逆に抗生物質が効かない耐性菌ができてしまうこともあります。
抗生剤点滴
重度の炎症がある場合は、抗生剤の点滴治療が必要となります。食事が十分に摂れない場合は、点滴で水分補給が必要となる事もあります。点滴が必要な患者さんに関しましては、点滴が可能な病院へ紹介をさせて頂いております。
扁桃周囲腫瘍切開
炎症が酷くなると扁桃の奥に膿が溜まった状態になります。膿瘍の穿刺(針で刺す)や切開が必要なことがあります。
扁桃摘出術
繰り返して扁桃炎を起こす場合は、扁桃が虫歯のように、とらないと治らない状態になってしまっています。再発防止のために、炎症が治まった状態のときに扁桃を摘出することが根本的な治療となります。